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2024/08/21

仮想通貨の利益、無申告で逃げ切れる?そのリスクと真実

仮想通貨は、インターネットを通じて世界中の人々が簡単に取引できるという特性を持っています。その匿名性や、グローバルな取引の可能性から、「仮想通貨で得た利益なら税金を払わなくてもバレないんじゃないか?」と考える人も少なくありません。また、仮想通貨取引所が海外にある場合や、ブロックチェーン技術を利用して取引が行われるため、税務当局が取引を把握することが難しいという話もよく聞きます。しかし、そうした考えは非常に危険です。

ここでは、仮想通貨の利益を無申告で隠し通すことが可能なのか、そのリスクと真実について詳しく解説していきます。また、無申告が発覚した場合のペナルティや、適切な対策についてもお伝えします。

1. 仮想通貨の利益は無申告でバレないのか?

まずは、仮想通貨で得た利益が無申告でも税務当局にバレないかどうかについて考えてみましょう。結論から言うと、仮想通貨の利益を申告せずに隠し通すことは非常に難しいです。以下に、その理由を挙げていきます。

1.1. 取引履歴はすべて残る

仮想通貨の取引を行う際、多くの場合は取引所を利用します。取引所を利用している限り、すべての取引履歴が記録されます。これらの履歴は、取引所に保管されており、必要に応じて税務当局に提出される可能性があります。

また、取引所を介さずにプライベートウォレット間で取引を行った場合でも、ブロックチェーン上にはその取引内容がすべて記録されています。ブロックチェーンは分散型台帳技術であり、全ての取引が公開されているため、取引を完全に隠すことは不可能です。これにより、税務当局が仮想通貨取引を追跡することが可能になります。

1.2. 支払調書の提出義務

令和2年度の税制改正により、暗号資産デリバティブ取引が支払調書の提出対象となりました。支払調書とは、税務署への提出が義務付けられている法定書類の一つであり、事業者が「誰に、どのような内容で、いくら支払ったか」を税務署に知らせるための書類です。これにより、取引所などの事業者が取引内容や損益を税務署に報告するため、たとえ自分で確定申告をしなくても、取引内容が税務当局に知られてしまう可能性があります。

1.3. 租税条約による情報共有

さらに、仮想通貨取引所が海外にある場合でも安心できません。日本は「租税条約」という二重課税の除去や脱税防止を目的とした条約を多くの国と締結しています。2024年現在、日本は155の国や地域と租税条約を締結しており、これに基づいて海外の取引所で得た利益も日本の税務当局と情報が共有されます。つまり、「海外取引所を利用しているからバレない」という考えは間違いです。

1.4. 国税庁の専門チーム

国税庁は、インターネットを介して得た収入に対しても厳しく対応しています。2019年には、インターネットビジネスに特化した専門チームを発足させ、Youtuberやネット通販、フードデリバリーなど、さまざまなネット収入を対象とした調査を強化しています。仮想通貨取引もその一環として監視されており、無申告で仮想通貨の利益を隠すことは非常にリスクが高いといえます。

2. 無申告が発覚した場合のペナルティ

仮想通貨で得た利益を申告しなかった場合、税務当局に発覚するとどのようなペナルティが課されるのでしょうか?ここでは、主なペナルティについて詳しく解説していきます。

2.1. 延滞税

延滞税は、納税が法定納期限までに行われなかった場合に発生する税金です。確定申告が必要な所得税の法定納期限は通常3月15日であり、これが土日などの場合は翌開庁日が期限となります。延滞税の計算方法は以下の通りです。

  1. 納期限までの期間と納期限の翌日から2ヶ月経過する日までの期間については、年7.3%と延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い割合。
  2. 納期限の翌日から2ヶ月経過する日の翌日以後については、年14.6%と延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い割合。

延滞税は、遅れた日数に応じて税額が増加していくため、申告を忘れてしまった場合は一日でも早く期限後申告を行うことが重要です。

2.2. 無申告加算税

無申告加算税は、法定納期限までに確定申告を行わなかった場合に課される税金です。通常、納付すべき税額の50万円までの部分には15%、50万円を超える部分には20%の加算税が課されます。しかし、以下の要件を満たす場合には無申告加算税が軽減されることがあります。

  • 税務署の調査前に自主的に期限後申告を行った場合、調査の事前通知前であれば、無申告加算税は5%に軽減されます。
  • さらに、期限後申告が法定申告期限から1ヶ月以内であり、過去5年間に無申告加算税や重加算税を課されたことがない場合には、無申告加算税が免除されることもあります。

このように、無申告加算税を回避するためには、できるだけ早く申告を行うことが大切です。

2.3. 重加算税

重加算税は、仮装や隠蔽といった悪質な行為があった場合に適用される税金です。通常の無申告加算税や過少申告加算税とは異なり、納付税額に対して40%の重加算税が課されます。また、過去5年間に重加算税や無申告加算税を課されたことがある場合には、さらに10%が加算され、税率は50%にまで上がります。

仮想通貨の利益を意図的に隠したり、虚偽の申告を行った場合には、重加算税が適用されるリスクが高くなるため、非常に重い罰則となります。

3. 過去の有罪判決事例

仮想通貨の利益の無申告や過少申告が発覚し、有罪判決を受けた事例もあります。例えば、2021年には、ビットコインの取引で得た約2億円の利益を過少申告した男性が懲役1年、執行猶予3年、罰金1800万円の判決を受けました。この男性は、2017年から2018年にかけてビットコイン取引で約2億円の利益を得たにもかかわらず、120万円しか申告しなかったことが判明しました。

このような事例からもわかるように、仮想通貨の利益を申

告しなかった場合、最悪の場合は有罪判決が下されることもあります。無申告や過少申告は非常にリスクが高いため、適切に申告を行うことが重要です。

4. 仮想通貨の損益計算の難しさ

仮想通貨の損益計算は非常に複雑です。仮想通貨取引はその種類が豊富であり、取引ごとに異なるルールが適用されるため、正確に計算することが難しい場合があります。例えば、NFT取引やDeFi(分散型金融)の取引など、従来の株式や不動産の取引とは異なる計算方法が求められる場合もあります。

さらに、仮想通貨取引においては、取引所ごとに異なる取引手数料やスプレッドが発生するため、正確な損益を把握するには取引履歴を詳細に分析する必要があります。複数の取引所を利用している場合や、頻繁に取引を行っている場合には、損益計算が非常に煩雑になることもあります。

5. 正確な申告を行うための対策

仮想通貨の損益計算が難しい場合には、以下の対策を検討することをお勧めします。

5.1. 損益計算ツールの活用

現在、市場には仮想通貨の損益計算を簡単に行えるツールが提供されています。これらのツールを活用することで、複雑な損益計算を効率的に行い、正確な申告をサポートすることができます。

5.2. 専門家への相談

仮想通貨の税務に関しては、専門的な知識が必要です。特に損益計算が複雑な場合や、税務当局とのトラブルを避けるためには、税理士や会計士といった専門家に相談することが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、適切な申告を行い、ペナルティを回避することができます。

まとめ:税理士法人IKJとともにリスクを回避するための適切な申告を

仮想通貨の利益を無申告で逃げ切ろうとすることは、非常にリスクの高い行為です。仮想通貨取引の履歴はすべて記録されており、取引所や税務当局との情報共有によって無申告が発覚する可能性が高いです。また、無申告が発覚した場合には、延滞税や無申告加算税、重加算税といった厳しいペナルティが課されることもあります。

このようなリスクを回避するためには、仮想通貨で得た利益を正確に申告し、適切に納税することが重要です。しかし、損益計算の煩雑さや税務処理の難しさから、正確な申告を行うことが困難な場合も少なくありません。

税理士法人IKJでは、仮想通貨の税務申告を多数行なっております。
仮想通貨取引に関する豊富な知識と経験を活用し、複雑な税務問題にも対応可能です。適切なアドバイスによりペナルティを回避し、税務当局とのトラブルを防ぐことができます。

税理士法人IKJとともに、仮想通貨の利益を適切に申告し、安心して投資活動を続けるための万全な対策を整えましょう。正しい申告と納税が、将来的なリスク回避の鍵となります。

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